空想から始める家づくり

設計事務所のHPのメンテナンスをしながら、一般の方は家を建てるにあたってまずは何をすれば良いのか?という初歩的なことを私自身も整理できていなかったのでは?とフッと脳裏に浮かんできました。

 

①まずは、どこに建てるのか? 土地から購入ならばどこに住みたいのか?

 

これが最初ですかね? 現在のアパートの位置、学区の都合や通勤の都合、実家への距離など、まずはエリアを絞りたいところ。

同時に、雨や地震のことも考えておきたいところです。

 

②次は、いくらまで費用を掛けられるのか? お金の話はどうしても避けられません。

 

これは①の話とも密接に絡んでいて、代々所有の土地を貰えるのか?、贈与を期待できるのか?、建物にいくら位掛けられるのか?月々の返済を考えるといくら位までの総額を考えればよいのか。

 

 設計の立場としても、ここが見えないと提案の内容がまるで変わります。このご時世、補助金をうまく活用できるか否かも、知識と経験と情報収集力が必要です。 大きすぎるものを提案しても、小さすぎるものを提案してもうまくいきません。 ボタンの掛け違いが起きないように一番私が気を遣うところです。

 

カッコつけても仕方ありません。ここはお互い正直な方が、後々うまくいく傾向にあります。

 

③ここまで来て、やっと希望を箇条書きで言葉で書き出してみる段階です。

 

方眼紙を用意した方は、ストップ、ストップ。ちょっと待ってくださいね。 まずは、言葉です。方眼紙は一旦しまってください。

 

 ここで、方眼紙に具体的に書いてしまうと、設計側は無視するわけにも行かず、顔色を見て恐る恐る中途半端に取り入れた結果、アンバランスになったり、構造が大げさになり費用がかさんだり、無駄な廊下が増えたり、過去の経験上良いことはありません。

 

 イエスマンに徹して、仕事を頂く方法もあるとは思いますが、声をかけていただいた以上、少しでもお役に立ちたい、知恵をひねり出したいと思うのが私の性格です。

 

 なお、何気なく書きがちな廊下ですが、実は91センチ四方の1マスで20~25万円ですよ、4マスで100万円ですね、とアドバイスすると皆様割と事の重大さを理解してくれます。

 

 希望を言葉で頂いたほうが、料理に例えれば調理の工夫のやりがいがあります。 例えるなら肉の種類は指定してくださるとしても、焼くのか蒸すのか揚げるのか提案をさせてください、当方が考えるベストにまずは耳を傾けてみては。

 

 もちろん、勝手に設計や工事は進めません。着手前に承認を得たうえで進めます。 その上でまた意見交換すれば良いのです。 大切なのはイエスかノーかの意思表示です。

 

楽しいから難しい、難しいから楽しい。家づくりの奥深さが見えてきましたか(笑)?