つい先日、NHKスペシャルで興味深い番組があった。 その名も「老いる日本の“住まい” 」シリーズ 「第1回 空き家 1000万戸の衝撃」だ。 第1回と銘打つからには、まだ続くと思われるので視聴をオススメしたい。
私の住む浜松市でも、郊外に行くと空き家が散見される。 子世代が市内でも交通の便の良いところや就職で都会に行ってしまうことで、住み手がいなくなってしまうのだ。 そのまま、土地と建物を売却したり、建物を解体したり、相続人の意図ある動きがあればまだ良いものの、そのまま放置というのが、耐震安全上、防犯上ともに問題がある。
山間部や郊外の住宅を相続したものの、どうしよう?と困っているとの相談をいくつか受けている。 道が狭くて解体の重機もダンプも入れないというのだ。 昔の人は、人力でよくもこんなところに建設できたな、と敬服する部分も大いにあるが重機使用が当たり前の今となっては、周囲の安全のためにいざ解体だ、と動き出そうにも相続人を悩ませている。 さらに、解体後に更地で売れるならばまだ良いが、展望もなくとりあえず更地にした場合は住宅用地の特例がなくなり、土地の固定資産税が数倍に跳ね上がるのだ。
この番組でも言及されていたが、やはり使える住まいは手を加えて中古住宅として流通させるとか、リノベ借家として需要を発掘させるなど、建築と不動産の融合で解決できそうな役割があるように思う。 ただ、貸し手と借り手の需要を見出すことが大きなハードルか。
私も、ここ数年そんな予感がしていて勉強の趣味が高じて宅地建物取引士の合格率17%の試験を受け、合格しました。 これで開業するつもりは有りませんが、何らかの知識として生かして地域のお役に立ちたいと思っています。
設計する、直す、活かす、そんなスキルが求められる日が近いうちに来るでしょうね。