パリオリンピックが閉幕。競技が多すぎて、早寝の私はあまり競技を見られなかった印象。 ただ、大好きなマラソンは男女ともしっかりと観戦し、昔行ったことのあるパリの街並みを画面越しに楽しんだ。
そんな折、大学時代の建築史(建築の歴史)の北海道大学名誉教授・越野武先生の訃報が届く。
大学で建築を学ぶ際には、構造やデザインはもちろんのこと、建築の歴史を学ぶ授業が今も昔もある。高校時代は受験用に地理を履修し、世界史を学ばなかった私には、カタカナばかりでなかなか取っ付きにくかった西洋建築史の授業。いきいきと語る先生の姿は。「ザ・学者」の姿に思えた。 私は大学を卒業してから、タイミングを見てはイタリアやフランスetc.あちこちの建築を見に海外に出かけた。そのたびに、脳裏には黒縁眼鏡越しの先生の穏やかな眼差しと声を思い出した。
開会式やマラソン中継で、パリの名所が映るたびに、建築史の定期試験で「エッフェル塔を設計した、Gustave Eiffel氏について記述せよ」みたいな問題がそういえば有ったな(我ながらどうでもいいことをよく覚えている)、そう言えば越野先生お元気かな、結構なお歳だよなと先生の顔が頭に浮かんでいた、この1,2週間だった。 まさかのタイミングに、私のように不勉強だった学生にもお知らせに来てくださったのだろうか、と驚き。
我が家の次男が春から、母校・北海道大学工学部に編入することになり、WEBで札幌のアパートを探しながら学生時代や街並みを思い出していた矢先の出来事。
私も子供が大学生になる世代なので、恩師世代も当然それなりの高齢で、思い出の先生が一人また一人と天寿を全うされるのは本当に寂しいもの。
越野武先生の御冥福を心からお祈りします。