· 

まさかのリノベ・事務所の中に家を? 

人の縁とは分からないもので、昔の浜名湖ラグビースクールのつながりからご紹介を頂き、事務所から住宅のリノベーション(略称:リノベ)を担当しました。  一般住宅の新築とは違った、頭の使い方が設計者としては非常に面白く、ワクワクしながら良い経験をさせていただきました。 Nさん、ご紹介ありがとうございました。

 

まず、ご相談を頂いた初期の段階で、既存建物の中に住まいの箱を挿入することが思い浮かびました。  壁の下地を活かしたまま古い壁紙を張り替えて、水回り設備を交換すればもっと簡単に模様替えはできるのですが、今回考えたのは本格的な耐震改修と行かないまでも安心できる箱を挿入し、家族の暮らしと命を守ること。

 

さらに、新たな箱には床・壁・天井に断熱を施した上に二重窓を設置し、温熱環境を劇的に向上させれば、お世辞にも整った断熱環境とは言えなかったこの建物に新築同様の新たな生命を吹き込むことができるだろう、というのが狙いでした。

 

今まで御両親が家業を営んでいた1階の事務所スペースに、浴室とキッチンを新設して暮らせるようにし、和式のトイレも気分一新、洋式に変更。 言葉にするのは簡単ですが、なかなかの大仕事です。 依頼主の理解の速さと思い切りの良さにも助けられ、スムースに工事に進むことが出来ました。

 

当事務所の仕事をしてくださる職人チームは、小規模ながら非常に技術力が高く応用力があり、少々のことでは降参しません。 むしろ、ひと手間かかるけれど、長い目で見てトラブルの起こる可能性が少ない提案をしてくれる心強いパートナーです。 今回も確実な施工をしてくれました。

 

依頼主のリクエストにより事務所の研ぎ出しカウンターを再利用。 懐かしい歴史の欠片を残しました。 快適な空間ができて、年頃の娘さんも個室に籠もること無く、皆で同じ時を過ごしている、とのこと。 暮らしに良い変化が出るのは、設計者としては嬉しいことです。

 

これから寒い季節が到来して、断熱の差が顕著になるはず。 大林勇設計事務所に依頼して良かったな、と思い出して頂けると幸いです。