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佇まいの良い住まい

 風呂上がりに、ビールをと言いたいところですが、今日は冷蔵庫の牛乳がダブつき気味なことを思い出し、雑誌をパラパラ眺めながらレンジチンしたホットミルクをちびりちびり、と。

 

 図書館で借りた、大好きな住宅雑誌「住む。」を手に取る。 私がかつて勤めていた量産住宅メーカーなどが大手、ともてはやされていた住宅市場で、「チルチンびと」と「住む。」が木造住宅市場に与えた影響はとても大きいと思う。 ただ、ふと手に取ると、数年前に比べると、厚みが随分薄くなってやしないか?と驚く。 近年の痩せっぽちのサンマが頭に浮かぶ。 紙面が充実しているならまあいいか、スリムになったのは広告が減ったのか、紙が薄いものに変わったのか、気にしても仕方ない。

 

 好きな色味の写真を眺めながら誌面に目を通していると、「佇まい(たたずまい)」なんてあまり普段使わない言葉を見つけ、美しい日本語の響きだな、と嬉しくなる。

 

改めて調べてみる。 デジタル大辞泉によると、

① 立っているようす。また、そこにあるもののありさま。そのもののかもし出す雰囲気。「家並みの—」「庭園の落ちついた—」 ② 身を置くところ。暮らし方。また、なりわい。「人間さまざまの—」、とのこと。

 

 派手ではないけど、ここにこんな家が建ってなあ、と思い出すか出さないかくらいの家が私が家づくりで目指すところ。  長く住む家は、地味で飽きないくらいがちょうどいい。  もうじき12年経つ我が家がいい感じに家族に馴染んできて、特にそんな気持ちになる今日このごろです。